【ねこの口が臭い】口臭の原因とキャットフードで口臭対策
とってもいいにおいがする愛猫ちゃん。いつまでも匂いをかぎたくなっちゃいます。
しかし、猫ちゃんがふとあくびをした瞬間、びっくりするようなニオイがしたことはありませんか。
動物だから口が臭くて当たり前、なんてことはありません。
猫ちゃんの口臭には理由があったのです。
今回は猫ちゃんの口臭の原因と対策についてご紹介します。
臭くて当たり前はウソ!口臭の原因とは?
口臭の原因はいくつか考えられます。
なかには危険な病気が進行している可能性も考えられるため、注意が必要です。
・歯周病
歯周病などのお口トラブルにより口臭が発生していることが大変多いです。
猫ちゃんの場合、歯に歯垢がついても歯磨きが大変難しいのです。
無理やり歯磨きしようものなら、飼い主さんが噛まれて蹴られてボロボロになってしまいます。
歯磨きが難しいことから、歯垢が放置され歯石になり、歯周病になるのです。
歯周病を放置すると歯茎が後退し、歯が抜けてしまいます。
そうなるとお口の中で炎症が起き、口臭はいつまでも改善することがありません。
およそ8割の猫ちゃんが歯周病のリスクを抱えているといわれています。
口臭が気になる場合、一度猫ちゃんのお口を観察してみましょう。
・口内炎
口内炎は歯垢や歯石から発生した細菌が歯茎についた傷から入り込み、炎症を起こします。
とくに免疫力が弱っている猫ちゃんに多くみられ、腎不全や猫エイズを患う猫ちゃんがかかりやすくなります。
口内炎により口臭が発生するほか、お口が痛く食事を嫌い、みるみるうちに衰弱していく猫ちゃんもいるため、非常に危険です。
・猫風邪
お家に迎えたばかりの子猫が風邪を引いた、なんて経験のある方は多いはずです。
「猫風邪」は、生後間もない子猫がかかりやすい病気です。
症状は熱を出して元気がなくなるほか、くしゃみ、鼻水、目の疾患(角膜炎・結膜炎)などが挙げられます。
また、猫風邪のウィルスにより、生臭いにおいの口臭や口内炎、舌炎などのお口トラブルが発生するケースもあります。
風邪だからといって、人間の風邪薬を与えるのは大変危険です。
必ず動物病院を受診し、猫風邪のウィルスを特定したうえで投薬の指示を受けてください。
・腎不全
腎臓は血液を浄化するための大切な臓器です。
腎臓が正常に機能しなくなると、体内の毒素をおしっことして排出できなくなります。
すると体内に毒素が蓄積され、口臭がおしっこの匂い(アンモニア臭)に変化します。
腎不全が進行すると口臭だけではなく、全身からおしっこの匂いが漂うようになります。
このような症状が現れる低体温や脱水症状を起こし、様子を見る時間もなく命を落とす危険があるため、速やかに動物病院の受診が必要です。
腎臓は一度機能低下すると回復しない臓器のため、療養食でケアしながら現状維持する必要があります。
腎不全については下記から
腎不全予防を子猫のうちから。腎臓に優しいキャットフードを選ぼう
たかが口臭と侮らず「もしかして」「万が一」を考えた対応をすることが大切です。
・肝機能の低下
「口臭と肝臓に何か共通点があるの?」と思われるかが多いのではないでしょうか。
しかし、肝臓こそがニオイの最終処理場なのです。
ニオイの元となる体内の毒素は、肝臓で安全な尿素に作り変えられることで体臭や口臭を防いでいます。
肝臓が働かなくなると体内に毒素がたまり続け、ニオイもきつくなる一方というわけです。
あまりにも口臭がきつい場合、肝機能がかなり低下している、もしくは肝臓に悪性リンパ腫ができている可能性が考えられます。
人も猫も肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、病状が進行してから異変が現れます。
なかでも「肝リピドーシス(脂肪肝)」にかかった猫ちゃんは食欲が落ちみるみるうちに痩せ、黄疸が出るなど、命の危険にさらされてしまいます。
腎不全と同じく、獣医師への相談が必要な病気です。
・粗悪なキャットフード
添加物てんこ盛りのキャットフードを食べると、猫ちゃんの口臭はきつくなります。
添加物は胃や腸への負担が大きく、消化不良からイヤなニオイが発生します。
とくに香料が添加されたキャットフードの場合、ニオイが胃から上がってくるため、そのキャットフードを与え続ける限り口臭から解放されません。
添加物による影響は口臭だけではなく、発がんの危険性や免疫低下など、猫ちゃんの体に良くないことがたくさんあるのです。
セミウェットフードやウェットフードはドライフードに比べ歯に残りやすく、歯垢や歯石を作ります。
カリカリのドライなキャットフードとウェットタイプどっちがいいか比較
別項目でもお伝えしたように、歯垢や歯石は口臭の原因です。
ウェットフードばかり与えていると口臭の元になるほか、あごが鍛えられないというデメリットもあります。
このように、猫ちゃんの口臭は健康上の問題や食事内容によりきつくなります。
では、具体的に口臭対策はどうすればよいのでしょうか。
次の項目で口臭の対策についてご紹介します。
ねこの口臭対策
■原因別 猫ちゃんの口臭はこう防げ!
猫ちゃんの口臭対策は「ズバリこれ」というものが存在せず、猫ちゃんの体調や状態により対処方法が異なります。
口臭に効果のある3つのポイントをご紹介します。
1.デンタルケア
進行した歯周病や口内炎が原因の場合、歯垢や歯石を取り除く必要があります。
しかし、猫ちゃんは歯石を取るあいだ、じっとしていられません。
歯垢や歯石を取り除くには、全身麻酔を施したうえで処置が必要になります。
そうなる前に、日頃のデンタルケアがとても重要です。
デンタルケアといえば歯磨きですが、多くの猫ちゃんは歯磨きを嫌います。
歯磨きに慣れていない猫ちゃんの歯を磨くのは、猫ちゃんも飼い主さんも疲れてしまいます。
そこで楽しく歯磨きをする方法として「歯磨きおもちゃ」がおすすめです。
麻糸で作られたボールやへちまのおもちゃは、猫ちゃんが噛むだけで歯磨き効果のある優れものです。
歯磨きおもちゃで猫ちゃんと遊びながら、楽しく運動とデンタルケアをしましょう。
2.疾患の治療
猫風邪の治療は、人の風邪とほとんど同じ方法です。
栄養をたっぷり取って、しっかり温まり、よく休むことが鉄則です。
食欲がない猫ちゃんには、おかゆのようにキャットフードをふやかすほか、ふりかけやウェットフードなど香りがするものをトッピングしてあげるとよく食べてくれます。
猫風邪のウィルスは他の猫ちゃんに飛沫感染するため、風邪の猫ちゃんは隔離したうえでの看護が必要になります。
よく鼻水が出るようであれば拭き取ってあげましょう。
目ヤニで目が開かない場合、放っておくと失明の恐れがあるため、ぬるま湯を含ませたガーゼなどで目ヤニを拭き取ります。
ひどい風邪は動物病院を受診し、お薬の処方をしてもらうようにしましょう。
内臓疾患(腎疾患・肝疾患)の場合、体の中の毒素を薄めおしっことして体外へ排出することで、口臭を減らすことが可能です。
体内の毒素を薄めるといっても、ただ水をたくさん飲むだけでは改善しません。
点滴や注射で毒素を薄める治療が必要となるため、かならず獣医師と相談し、治療計画を立てながら対処を行うようにしましょう。
3.キャットフードの見直し
とくに病気ではないのに口臭が気になる場合、キャットフードの見直しが必要です。
なかには食物アレルギーによる消化不良から口臭が発生している可能性も考えられます。
アレルゲンや添加物が含まれているキャットフードを与える限り、口臭が改善しないことが多いのです。
また、ウェットフードをメインに与えている場合、ドライフードへ切り替えるだけで歯垢や歯石の発生を防ぎ、口臭を改善する可能性があります。
ドライフードは歯垢や歯石を付きにくくするほか、あごの力を鍛えたり腹持ちがよいなど様々なメリットがあり、口臭を気にする猫ちゃんにおすすめです。
口臭について獣医師へ相談すると、特別な事情がない限り、ドライフードを勧められるのはこれらのメリットがあるからなのかもしれませんね。
口臭対策はキャットフードから!キャットフード選びのポイント
では、口臭対策のキャットフードとはどのようなものを選べばよいのでしょうか。
キャットフード選びには、3つのポイントがあります。
1つめのポイントは「無添加」です。
添加物が原因で胃や腸から嫌なにおいが上がってくることを防ぎます。
なにより添加物は「猫ちゃんのため」ではなく「人間のため」に使用されるのです。
日持ちを良くする、きれいな色を付ける、いいにおいを付ける、これらは猫ちゃんにとってすべて不要といえます。
なぜなら、野生の猫ちゃんは狩りをしていつでも新鮮な肉を食べており、自然の生き物には着色も香料も使われていません。
猫ちゃんにとって必要なのは添加物ではなく、栄養満点なご飯なのです。
2つめは「食物アレルギーへの配慮」です。
食物アレルギーといえば下痢やおう吐などの体調不良が多いのですが、食物アレルギーにより胃炎から口臭に発展することもあります。
猫ちゃんの場合、キャットフードによく使用される穀物からアレルギーを発症するすることが多く、注意が必要です。
穀物のほか、猫ちゃんがアレルギー反応を起こしやすい食物として牛肉や魚、乳製品が挙げられます。
慢性的な口臭でお悩みの場合「グレインフリー」「グルテンフリー」といったアレルギーに配慮されたキャットフードを選ぶようにしましょう。
3つめは「ドライフード」です。
歯周病も口内炎も、歯垢や歯石が原因でかかりやすくなります。
そこで歯磨き効果の期待できるドライフードを与えます。
小粒よりやや大粒、柔らかめより硬めのキャットフードを選ぶとより効果的です。
しかし、噛む力の衰えたシニア猫に無理やりドライフードを与える必要はありません。
シニア猫には栄養を最優先に考え、食べやすいキャットフードを与えたのち歯磨きをしてあげることが重要です。
■口臭対策でおすすめのキャットフードとは
お口トラブルと内臓疾患、アレルギーによる口臭では対処策が違うことをお伝えしたのですが、キャットフードは種類がたくさんあり、どれを選べばよいのか悩んでしまいます。
そこで、口臭対策のポイントをおさえたキャットフードをピックアップしてご紹介します。
・アーテミス フレッシュミックス アダルト キャット フォーミュラ
世界でも人気が高いアメリカ産のキャットフードです。
人気の理由は栄養や食いつきだけではなく、製造工程の一つ一つで検査が行われる「安全性」にもあるようです。
アーテミスは無添加、アレルギーの危険がある大豆、小麦、とうもろこしを使用していない点が評価できます。
消化吸収の良い大麦、りんご、ほうれん草などを使用し、消化吸収を助ける「エンテロコッカスフェシウム」「ラクトバチルスカゼイ」「ラクトバチルスアシドフィルス」といった乳酸菌を使用し、胃炎や腸炎による口臭を防ぐ効果が期待できます。
粒はやや小粒ですが、硬さは確保されており、デンタルケアにも一役買いそうです。
・ヒルズ プリスクリプション・ダイエット t/d
療養食代表、ヒルズの t/d はオーラルケアに特化したキャットフードです。
歯石が付きにくくなる効果が科学的に証明されており、アメリカの獣医口腔衛生委員会から承認されています。
粒は非常に大きく、噛んでもすぐに崩れず歯に沈み込んで根元まで歯垢をしっかりとってくれます。
歯垢や歯石が付きにくくなる効果のほか、低カロリーでダイエット向けでもあり、ミネラルの調整により尿路結石ができにくくなる効果が期待できる、まさに療養食です。
キャットフードの効果は非常に良いのですが、アレルギーに関しては考慮されておらず、とうもろこしとコーングルテンがかなり使用されています。
アレルギーによる口臭であった場合、療養食とはいえこのキャットフードでは改善しない可能性が考えられます。
・ネイチャーズバラエティ インスティンクト オリジナル チキン
グレインフリー・グルテンフリー・無添加なため、食物アレルギーが心配な猫ちゃんにも安心して与えられます。
乳酸菌を配合し、消化不良による口臭にも対応可能です。
平たい小~中粒で、噛みやすい形状から歯磨き効果も期待できます。
フリーズドライした新鮮なお肉を使い、栄養を保ちつつ食いつきをよくする工夫も為されています。
カロリーは 381kcal /100g と中~高カロリーで、いつものごはんのローテーションとして役立ちます。
■まとめ
いかがでしたか。
口臭の意外な原因と口臭対策についてご紹介しました。
キャットフードを変えただけで、全身から漂うよだれ臭から解放された猫ちゃんはたくさんいます。
本来の猫ちゃんはお日様のようないいにおいがする生き物です。
猫ちゃんの口臭でお悩みの飼い主さんは、まずキャットフードを見直してみてください。
元気がなく口臭がひどい場合は、キャットフードの見直しとともに、獣医師へのご相談も忘れずに行うようにしましょう。