ドッグフードをふやかす方法

ペット


カリカリのドッグフードといえばそのまま与えるイメージですが、実はふやかして与えている飼い主さんも多いのです!

『柔らかいほうが食べやすそうだから』というケースも、『柔らかくしないと食べてくれないから……』というケースもあります。

意外にも珍しくないふやかし。今回はドッグフードをふやかす方法や、ふやかすことについての気になるQ&Aを解説していきます。

ドッグフードをふやかす方法

ドッグフードをふやかす方法はシンプルです。

  • お湯を使う
  • 電子レンジを使う

手順は簡単とはいえ、飼い主さんの時間を取られるので多少面倒に感じることはあるかもしれません。

以下ではそれぞれのふやかし方を解説していきます。

1、お湯を使う

わんちゃんのカリカリは、お湯でふやかすのがスタンダードだといえるでしょう。

お湯は40度くらいのぬるま湯を用意し、器に入れた一食分のドッグフードがひたひたにになるくらいまで注ぎます。そのまま10分くらい待つと、押せば簡単に潰れるくらいふやふやに柔らかくなります。

そこまでできたらわんちゃんに与えましょう。

待ち時間があるのがネックですが、衛生面でも安心ですし(※ただしお湯を使用することで傷みやすくなるので、作り置きや保管・放置はダメです!)温度の管理もしやすいのでメリットが多いふやかし方法です。

2、電子レンジで対応

カリカリをふやかす際には電子レンジも使用できます。

耐熱の器に一食分のカリカリと、それがひたひたになるくらいの水を入れて電子レンジでチンします。

この方法はすぐに温まるものの、お湯でふやかす場合よりも温度調整に注意は必要になります。
電子レンジで加熱しすぎてアツアツになりすぎないように、バランスを取りましょう。

最初は500Wで10~20秒くらい加熱して様子を見るといいでしょう。もし熱いようなら少し冷まして与えると良いですし、むしろぬるすぎるようなら数秒~細かく加熱してちょうど良い温度を探るといいでしょう。

※※加熱しすぎると栄養が破壊されるリスクもあるので、一気に温めてから冷ますより、熱くし過ぎないように秒数に気を付けながらふやかすのが良いですよ!!(※後程ふやかすときの注意点の項目でも触れます)

『家の電子レンジではこの秒数がベスト!』という秒数を発見できれば、調理の負担を大幅に軽減できます。

『ちなみにカリカリを加熱しても栄養とかわんちゃんの体への影響とか大丈夫?』と心配になる飼い主さんもいるかもしれません。一応電子レンジでのふやかしは一般的に行われている方法なので、加熱しすぎないようにできるなら基本的には心配しなくていいでしょう。

ただ、少しでも気になるとか不安を感じるという場合はお湯でふやかすのがおすすめです。
お湯は飼い主さんの手間があるとはいえ、安心度はダントツです。

ドッグフード(ドライフード)をふやかすときの注意点

カリカリをふやかすとき、細かく砕いてからふやかす派もいれば、砕かないでそのままふやかす派もいます。
砕いた場合はふやかす時間を短縮できますが、カリカリの内側の部分が外側に出るので酸化が早まるリスクがあります。

すぐにわんちゃんに食べてもらうなら問題はありませんが、時間が経つと劣化するので放置しすぎないようにしましょう。

他にもカリカリをふやかすときには注意点がいくつかあります。

■ふやかすときの注意点■

  • ぬるま湯を使用してふやかす!
  • ふやかすために使用したお湯は捨てないで一緒にわんちゃんに与える!
  • 作り置きや、ふやかした後に残ったからといって保存するのは絶対にダメ!

それぞれの注意点について詳しく確認していきましょう。

ぬるま湯を使用(加熱しすぎない)

人間が食べる食材でもそうですが、熱湯を使用すると栄養を破壊するリスクがあります。
全ての栄養が熱湯で破壊されるわけではありませんが、熱に弱い栄養もあるのです。

わんちゃんの場合はドッグフードでほぼ全ての栄養を賄っているケースが多いので、栄養はできるだけ守りたいですよね。

ということでふやかすときには熱湯を使用するのではなく、必ずぬるま湯を使用するようにしましょう。

ぴったりぬるま湯を準備することが難しいときは、一旦熱湯を準備してから冷ましてぬるま湯になるまで調整しましょう。

電子レンジを使用してふやかす場合でも加熱しすぎると栄養を破壊するリスクがあるので、あまり加熱しすぎないようにしましょう。一気に加熱して冷ますのではなく、最初からぬるま湯になる程度に秒数を調整して加熱するのが良しです。

ふやかしたときの水分はできるだけ与える

『ふやかすときにお湯を入れすぎたな……』と、感じてもお湯を捨てることはせずにごはんと一緒に与えましょう。

ふやかしたときのお湯には栄養が溶け出していることがあるので、ごはんと一緒にわんちゃんが摂取してくれると一番良いのです。

お湯を入れすぎたと感じても、捨てずにわんちゃんに与えてくださいね!
捨てたらわんちゃんが摂取できる栄養が減ってしまうかもしれません。

衛生的な観点からふやかしたごはんの作り置きはダメ!

これは絶対に忘れてはいけない注意点です!作り置きはダメ!ふやかしたものの保存もダメ!わんちゃんが途中で食べるのを止めたからといって完食するまで待とうとしばらく置いておくのもダメ!

カリカリ状態と違って水分を含むので、ふやかした後は傷みやすくなります。そのため作り置きするのは絶対にダメです!
作り置きや保管はせずに、ごはんのたびに都度準備してわんちゃんに与えるようにしましょう。

食べ残しがもったいないからと取っておくのもダメですよ~!

ドッグフードはふやかしても栄養に問題はない?

カリカリをふやかすこと自体には栄養面の問題はありませんが、加熱しすぎると栄養が破壊されるリスクがあるので調整が大切です。

また、ふやかした際に出た水分の中にカリカリの栄養が流れ出ていることがあるので、水分も一緒に与えてわんちゃんが全部食べてくれたら大丈夫ですが、残した場合はそのカリカリの通常分と同じだけの栄養は摂取できない可能性もあります。

気を遣わなければいけない部分もあるものの、基本的にふやかすことにはメリットもあるのですよ!

ドッグフードをふやかすメリット

カリカリをふやかすことのメリットをまとめます。

  • 消化吸収が良くなる
  • あまり水を飲まないわんちゃんは水分補給がしやすくなる
  • 食欲がないときでも食べてくれる場合がある
  • 水分のおかげで満腹感が出やすい

わんちゃんの消化吸収が良くなる(シニア犬も食べやすい)

ふやかすと柔らかくなるので消化しやすくなります。

子犬、シニア犬、もしくは胃腸の働きが弱っているわんちゃんにとっても食べやすくなるのがふやかしたごはんなのです。

ごはんのときに水分を補給できるからあまり水を飲まないわんちゃんにも良し

ふやかすときにお湯を使用するので、ごはんと一緒に水分摂取もできます。

わんちゃんによってはあまり水を飲まないケースもありますが、ふやかしたごはんを与えることで水を飲まないわんちゃんも水分摂取をしやすくなるというメリットがあります。

人間のおかゆに近い感覚でわんちゃんの食欲がないときに食べてくれやすい

わんちゃんの胃腸が弱っているときや食欲がないときも食べやすいのがふやかしたごはん。

ちなみにふやかすことで風味が強くなるので、嗅覚が優れているわんちゃんの食欲増進に繋がりやすいというメリットにも期待できます。

カリカリは苦手であまり食べないというわんちゃんでも、ふやかしただけで食べるというケースはよくあります。

また、シニアになって歯が弱ったわんちゃんもカリカリよりふやかしたごはんのほうが良く食べることが珍しくないようです。

もちろんわんちゃんの好みによっても左右されるでしょうが、『食欲が無い』『歯が弱っている』というわんちゃんの食の進み方に悩んでいるなら、ふやかして与えてみるのもありではないでしょうか。

水分も含むから量が多少減っても満腹感あり!

ふやかすときはお湯を使用することからドッグフードが水分を含み、かさが増します。

いつもより少ない量でもお腹いっぱいと感じやすくなります。

食欲旺盛で食べすぎが気になるわんちゃんやダイエット中のわんちゃんには、ふやかして水分で量が増えた感のある与え方は意外と魅力的といえるかも!?

飼い主さんにとっては手間がかかるものの、場合によってはドッグフードの一回あたりの量が減る=長い目でみたら節約にも繋がるかも……。

ドライフードをふやかすのは時間がかかるし面倒

ふやかして与えることはメリットがありますが、デメリットとなりえることもあります。

まずふやかす手間がかかります。

忙しい飼い主さんとしてはパッと器に出してサッと与えられるカリカリは凄く便利ですよね。それがふやかすとなると……電子レンジだと時間は短縮できますが、お湯だと時間がかかります。

電子レンジもきちんと調整しなければいけないので、やっぱり手間がかかります。

しかもわんちゃんによっては飼い主さんがごはんを準備していると我慢できなくて活発になるケースもあるので、その場合は待ってもらうのが結構大変……。

このようなデメリットもあるのです。

与え方に気を付けないとわんちゃんの歯が弱くなる!?

ふやかしたごはんだけを与えているとわんちゃんの歯やアゴが弱くなる可能性があります。

人間で考えても『柔らかい物しか食べていないとアゴが弱るから、食べられるなら時々は硬い物を食べた方がいい』と言いますよね?

わんちゃんも同じなのです……。

子犬やシニア犬にはふやかしたごはんが重宝するケースはあるものの、健康な成犬なら毎日のようにふやかしたごはんだけを与えるのは推奨できません。

成犬でも体質や体調などの事情があって獣医師からふやかしたごはんが勧められているなどの特殊なケースを除き、カリカリと組み合わせるといいでしょう。

歯磨き粉を積極的に導入しなければいけなくなるかも

ふやかしたごはんばかり与えるなら、わんちゃんの歯磨きの頻度を高めないと……虫歯リスクが高まることがあります。

カリカリはしっかり歯を使って食べることで歯垢防止の効果に期待できる面もあるのだとか。
しかしふやかした場合は柔らかくてわんちゃんの歯にくっつきやすくなるので、歯垢が溜まりやすくなるのだとか……。

ふやかしたごはんを与える頻度が高いなら、わんちゃんの口腔ケアはしっかりしてあげるようにしましょう!

最初からウェットフードだけを与えるのもあり?

『カリカリをふやかす手間を考えれば、最初からわんちゃん用のウェットフードをあげる方が良いのでは……?』と感じる方もいるのではないでしょうか。

でも基本的にはウェットフードだけよりカリカリをふやかしてあげる方がおすすめです。

手間がかかっても頻度が増えるならカリカリをふやかすほうがいいのです。

その理由に迫っていきましょう!

ウェットフードは高い&添加物が多いものもある

実はウェットフードは(※商品によりますが)添加物が多いものが珍しくありません。
先程ふやかすと水分を含むから傷みやすいと触れましたが、ウェットフードも水分を含むのでカリカリより傷みやすいです。

そのため消費期限を長くしたり腐りづらくしたりするために保存料や酸化防止剤が使われることが多々あるのです。

基本的にわんちゃんはウェットフードが好きな子が多いですよね。ウェットフードのほうが香りも食感も美味しそうですもんね。
しかし時々はともかく毎日与えるとなると少々悩みどころ。
『柔らかさ』を重視してウェットフードを与えようか迷っているなら、カリカリをふやかして与えるほうがおすすめです。

■販売価格も忘れられない■

ウェットフードは基本的にカリカリより高いです。
そのため頻繁にあげているとわんちゃんの食費もアップします。

お財布への優しさを基準にしても、カリカリをふやかして与えるほうがメリットが多いのです。

結局ドライフードをふやかすのって間違いなの?

カリカリをふやかしたごはんをわんちゃんに与えることは間違いではありません。むしろメリットが色々あるので、わんちゃんの年齢や体調によっては注目したい与え方です。

普段カリカリしか与えないという方もたまにふやかしてみると、いつもとは違う食いつきをお目にかかれるかもしれません!

ふやかして与えることにはメリットはあるものの……一応デメリットもあるのです。

デメリットの部分も総合的に考えつつ、バランスを保ちながら取り入れてみるのも良いでしょう。

ふやかしてみたくなった方はさっそく試してみてはいかがでしょうか!?