アメリカの格付け機関Weiss Ratingsが仮想通貨の格付けを発表


アメリカの格付け機関Weiss Ratingsが仮想通貨の格付けを発表!その結果は? 
仮想通貨格付け

■アメリカの格付け機関Weiss Ratingsとは?

Weiss Ratings(ワイスレーティング)とは1971年に創設されたアメリカの独立系老舗大手格付け機関です。
ここで言う格付け機関というのは、金融商品や企業・政府などの信用力をランク付けする会社・企業の事で、この格付けより投資家たちはどういったものに投資をしていけば良いのかを判断する際に参考になります。
またこのランク付けは株価などにも大きく影響を及ぼします。

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ちなみにアメリカの格付け会社というとムーディーズやS&Pといった企業が有名ですが、これらはサブプライム・ローンを証券化して組成したCDO(債務担保証券)にでたらめに格付けしたことがきっかけでリーマンショックを引き起こしました。
そしてワイスレーティング社の格付けは、これら2つの会社よりも更に正確であるとも言われています。

現にWeiss Ratingsはこれまでに55,000の機関と投資案件の評価を行っており、格付けの正確さは米国政府会計検査院(GAO)、バロンズ、 ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズなどによって注目されています。

■Weiss Ratingsで仮想通貨を格付けした?

金融格付けの公式機関であるWeiss Ratingsは、仮想通貨の過大評価と暴落リスクによる懸念や詐欺コインによる被害の防止といった事から、2018年の1月下旬についに仮想通貨においてもその格付けを行いました。
ちなみに仮想通貨における格付けは価値の根拠づけが難しくてこれまでも発表される事はなく、ワイスレーティング社によるこの格付けが世界で史上初となります。

そしてWeiss Ratingsの仮想通貨への格付けは、その正確さから重要な指標として参考になるものだと考えられているため、投資家などからも大いに注目を集めています。

尚この格付けで取り上げられる仮想通貨は計70種類で、A=”Excellent(素晴らしい)”、B=”Good(良い)”、C=“Fair(平等)”、D=”weak(弱い)”、E=”very weak(とても弱い)”というようにそれぞれランク付けされています。
Aに行くほど好ましく、逆にE寄りのものはあまり好ましくありません。

■実際の仮想通貨の格付けはどんな感じになってたの?

Weiss Ratingsによる仮想通貨のランキング結果は以下のようになっています。
詳しくはこちらURLなどにてhttps://twitter.com/hirobit88/status/956171037477019648

  • ●ランクA

なし

  • ●ランクB

EOS(EOS)
Ethereum(ETH)

  • ●ランクB-

Cardano(ADA)
NEO(NEO)
Steem(STEEM)

  • ●ランクC+

Ark(ARK)
Bitcoin(BTC)
BitShares(BTS)
Byteball Bytes(GBYTE)
Dash(DASH)
Decred(DCR)
I/O Coin(IOC)
Litecoin(LTC)
NEM(XEM)

  • ●ランクC

Aeon(AEON)
Asch(XAS)
BlackCoin(BLK)
Blocknet(BLOCK)
Burst(BURST)
Bytecoin(BCN)
Counterparty(XCP)
Dogecoin(DOGE)
Ethereum Classic(ETC)
Komodo(KMD)
Lisk(LSK)
Monero(XMR)
NAV Coin(NAV)
Neblio(NEBL)
Nexus(NXS)
Nxt(NXT)
Peercoin(PPC)
PIVX(PIVX)
Qtum(QTUM)
RaiBlocks(XRB)
Ripple(XRP)
Shift(SHIFT)
SmartCash(SMART)
Stellar(XLM)
Stratis(STRAT)
Syscoin(SYS)
Verge(XVG)
Vertcoin(VTC)
Waves(WAVES)
XTRABYTES(XBY)
Zcash(ZEC)
ZCoin(XZC)

  • ●ランクC-

Bitcoin Cash (BCH)
CloakCoin(CLOAK)
DigiByte(DGB)
DigitalNote(XDN)
Electroneum(ETN)
Feathercoin(FTC)
Namecoin(NMC)
ReddCoin(RDD)
Skycoin(SKY)
Ubiq(UBQ)
Viacoin(VIA)
WhiteCoin(XWC)
ZenCash(ZEN)

  • ●ランクD+

Auroracoin (AUR)
Bitcoin Gold (BTG)
GameCredits(GAME)
Gulden(NLG)
Megacoin(MEC)
Metaverse(ETP)
Pura(PURA)

  • ●ランクD

Expanse(EXP)
Matchpool(GUP)
Novacoin(NVC)
PotCoin(POT)
Quark(QRK)
Rise(RISE)
SaluS(SLS)

  • ●ランクD-

Einsteinium(EMC2)

現在Aランクのコインに関しては一つもなく、そして一番トップランクであるBランクに関しては現在上記記載の5つしかありません。
ちなみに現在仮想通貨を代表する基軸通貨であるビットコインですが、これはボラティリティ(価格変動の度合い)が大きく、内部で統制が取れていない事やスケーラビリティ問題、エネルギー消費量といった点においてマイナス評価となったようです。

以下Bランクの5つのアルトコインの簡単な概要・特徴などについて少しピックアップしてみたいと思います。

  • ●軽くチェックしておきたいBランクコイン

▼EOS(EOS)
時価総額ランク:8位(996427413599円)
発行上限:10億
取り扱い取引所:Binance(バイナンス)Poloniex(ポロニエックス)、Bittrex(ビットトレックス)、openledger(オープンレジャー)など

イオスコインは2017年に公開されてからいきなり時価総額でトップ10入りしたもので、ICO(独自の仮想通貨(トークン)を使った資金調達方法)として発行されたトークンです。
分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームでイーサリアムのブロックチェーンを使用しており、企業の間で広く利用されること想定して開発されました。
イオスの特徴は取引の処理速度が速く、EOSのプラットフォーム上の取引であれば取引手数料は無料になるという利点があります。

ただしホワイトペッパーにも記載されている通り、EOSには明確な利用用途というものがなく、単にICOのブームにより価値が高まったのではないかと考えられています。
なので先行きについてはよく分かりませんが、今後企業の間でも広く利用されるようになれば将来的にも期待できるのではないでしょうか。

  • ▼Ethereum(ETH)

時価総額ランク:2位(11433741334080円)
発行上限:無限(一応上限はあり)
取り扱い取引所:ほぼすべての取引所

イーサリアムはスマートコントラクト機能により、契約情報を事前に記録しておくことで以後は決済情報を記載しなくても自動的に決済できるというような仕組みです。
今後は処理速度を大幅に向上させるような、ライデンネットワークと呼ばれる技術が導入される予定だったり、上限発行枚数が決められる予定であることなどから更に躍進していく事が想定され、特に今年2018年においては最も注目すべき仮想通貨であると言われています。

  • ▼Cardano(ADA)

時価総額ランク:5位(1769111341903円)
発行上限:630億
取り扱い取引所:Binance(バイナンス)、Bittrex(ビットトレックス)

カルダノとはオンラインカジノやゲームを扱うゲームプラットフォームで、このプラットフォーム内で利用・発行されるのがADAコインです。
オンラインカジノにありがちな不正を正すというような目的で誕生しました。
特徴としては複雑で高度な契約内容も瞬時に記録できるスマートコントラクト「Plutus」や、高いセキュリティと素早い送金が可能になるウォレット「Daedalous(ダイダロス)」といったものが魅力的です。

ちなみにエイダコインはよく詐欺コインと言われていますが、これは初期の売り方に問題があったからであり、資金力豊富でイーサリアムの開発者もこのADAコインの開発にかかわっていたりしますし、日本国内においてもATMで利用拡大していく予定であったり、この通貨自体にも上記のような優れた機能があったりするので、将来性もそれなりにあると言えるでしょう。

  • ▼NEO(NEO)

時価総額ランク:9位(984656777594円)
発行上限:1億
取り扱い取引所:Bittrex(ビットトレックス)、Bitfinex(ビットフィネックス)、Yunbi(ユンビ)

ネオはオープンソースのブロックチェーンを利用した仮想通貨で、中国版のイーサリアムといわれており、イーサリアムを脅かすとしてイーサリアムキラーという異名を持っています。
このネオのプラットフォーム上では様々なアプリケーションが実装可能で例えば

・スマートコントラクト
・未来予想市場
・ソーシャルネットワーキング
・知的財産取引市場
・広告市場

等々現存するアルトコインで備わっている機能はほとんど実装できると言われています。
性能面から考えると非常に可能性が高いのではないでしょうか。

  • ▼Steem(STEEM)

時価総額ランク:25位
発行上限:10億
取り扱い取引所:Poloniex(ポロニエックス)、Kraken(クラーケン)

Steem(スチーム)は、サイト運営者のコンテンツを収益化させることができるブロックチェーンベースの報酬プラットフォームです。
現在ではサイト運営で収益を上げることは容易ではありませんが、Steemだと投稿や評価により価値を得ることができますし、またサイト運営者が独自トークンを作成することで収益を上げることもできます。

■格付けには何か根拠やデータがあってされているものなの?

ワイスレーティングでは明確な基準を元に厳正なる審査の下で格付けが行われています。

●ワイスレーティングの格付け基準について
ワイスレーティングでの仮想通貨の格付けの基準としては、主に「リスク指数」「収益指数」「テクノロジー指数」「ファンダメンタル指標」の4つがあります。

▼リスク指数
価格変動やボラティリティなどの要因に基づく、投資に関わるリスクのレベルです。

▼収益指数
過去の売買パターンに基づいた、潜在的な収益性です。

▼テクノロジー指数
匿名性やブロックチェーンの相互運用性、アップグレード能力等技術力といったものです。

▼ファンダメンタル指標
決済スピードや安全性、市場の浸透度合い等のことです。

■この格付けが仮想通貨の価格や相場に影響してくる?
格付け機関による金融商品の格付けは、基本的に今後のそれらの価格に大いに影響を及ぼしてくると言われています。

今はまだ各仮想通貨で格付けによる目立った影響は特に見受けられませんが、少ししたら徐々にその影響が表れてくるのではないかとも予測されています。
また今後この格付けに信ぴょう性があると判断されれば、この先の仮想通貨市場の価格にも影響されてくると考えられています。
この事からワイスレーティング社によるランキングは、その動向にも注目されています。

ちなみに評価の高かったイオス、イーサリアム、カルダノエイダコイン、ネオ、スチームに関しては、格付けによる影響を考慮して今のうちに購入しておくと良いかもしれません。

■結局Aランクがなかった理由を大考察。リップルがCっておかしくない?と感じたw

●Aランクがなかった理由について
Aランクの記載がなかった理由については、そもそも仮想通貨というジャンル自体が投資の対象としてはあまり評価が高くないからだと考えられています。
仮想通貨はブロックチェーン技術により、国際送金時には安全で早く手数料も安いという点において非常に利用価値が高いですが、これには投資指標というものがありません。
つまり今の仮想通貨の価格が適正であるのかどうかが判断しずらい訳です。

そしてワイスレーティング社は「多くの仮想通貨が過大評価されており、暴落のリスクがある」というようなコメントをしており、こうしたことからそもそも仮想通貨自体がAランクに位置しない理由といえるでしょう。

例えばビットコインであれば、昨年の暮れには200万円を超えるくらいにまで価格が高騰したわけですが、果たして1ビットコインにつきここまでの価値があるのかどうかは冷静に考えれば疑問です。
そして高値を記録した後しばらくしてあり得ないほど一気に暴落し、現在では120万円程度で推移しています。
ビットコインの適正価格に関しては今はまだこれといって断言できる事はありませんが、ビットコインを始めとした仮想通貨の投資を行う際には、ポジティブな部分だけを見るのでなくその危険性についてもしっかりと意識しておきたいところですね。

●リップルのCランクという評価について
リップルというとものの4~5秒で送金可能というように送金スピードが非常に早く、手数料も1回につき0.1円程度と安いことから、送金(特に国際送金)に特化しています。
また資金力もあり時価総額ランキングではイーサリアムに次いで3位であったり、各銀行の送金手段として次々と導入されていてブリッジ通貨としても需要があったりする事などから、仮想通貨の中でも非常に評価が高いことで知られています。

そんな期待が高いリップルですが、なんとワイスレーティング社による格付けではまさかのCランクという結果になりました。
格付け発表後には「リップラー」と呼ばれるリップル保有者たちによる苦情が殺到したようです。

リップルがCランクである理由としては、格付けを行ったワイスレーティングによると、ボラティリティ(価格変動の度合い)が大きく急落を過去に何回も繰り返している事や、リップル社という発行元が存在していて中央集権的であるという事が仇となったようです。
ただリップルはまだ価格が安いうえに実需も高く将来性にも期待できそうなので、リップラーである私個人としても勢いをつけてもらいたいですね。

■個人的な仮想通貨の格付け。私が感じる仮想通貨の格付けをしてみた

このWeiss Ratingsによる仮想通貨のランキングに影響されてか、個人の間でも仮想通貨の格付けが流行しているようです。
なので私もこのワイスレーティングでの格付けなどをベースとして、送金速度やセキュリティなどの性能や拡張性・資金力・開発力・ユーザによる支持などを基準に考え、個人的に有名な仮想通貨の格付けをしてみました。
(あくまで個人の主観による判断になります)

ランクB:イーサリアム(ETH)、NEO(ネオ)
ランクB-:エイダコイン(ADA)、スチーム(STEEM)
ランクC+:ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、ネム(XEM)、ステラ(XML)、アーク(ARK)、アイオータ(MIOTA)、イオス(EOS)
ランクC:リスク(RSK)、リップル(XRP)、ビットコインゴールド(BTG)、ダッシュコイン(DASH)、モネロ(XMR)

主に有名どころだけで言えばこんな感じでしょうか。
●イーサリアムについて
イーサリアム(ETH)は時価総額もビットコインに次ぐ2位であり、開発力も高く性能的にもビットコインよりも優秀で今年2018年は来そうですね。

●ネオについて
NEOは資金力豊富で基本性能が高く将来性があります。
また中国初のアルトコインでありながら、仮想通貨の規制にうるさい中国政府が認めてる通貨なので、規制による懸念もあまり考える必要性がありません。
現在の安い価格なども考えると仮想通貨通貨の中でも最も魅力的な投資対象ではないかと思います。

●ステラー(Steller)について
ステラは現在時価総額ランキングでもトップ5目前の通貨で、リップルを元に開発されたものです。
リップルとの違いに関しては、リップルが主に金融機関で利用される者に対し、ステラは個人の利用を目的として開発されています。

●アークについて
アークはリスク(Lisk)から派生した通貨で、リスクの機能は受け継ぎつつリスクよりも送金速度が速いというように実用性を重視しており、ブリッジ通貨としての役割も担います。
リスクの上位互換であるとも言われており、これからも期待できそうです。

●イオスについて
イオスに関してはホワイトペーパーによればこれといった用途がなく、48時間以内に移転不可のようです。
ICOブームが冷めれば正直どうなっていくか分かりません。

●ネムについて
ネムは売り込みや開発力などの点で弱いですが、基本性能が高いのはもちろんまだ価格も低く大手取引所にも続々上場予定で支持者も多いので将来性も十分あると思います。

そしてネムは今後カタパルトが実装されれば大幅に性能が向上します。
ワイスレーティングでの格付けがカタパルト実装後か実装前の話なのかよく分かりませんが、理念がしっかりしているのでいずれにしても台頭してもらいたいコインです。

  • ●その他仮想通貨について

ビットコインは価格が高騰しているものの、圧倒的な市場規模(時価総額)を誇っており、今年もそれなりに期待できそうですが、来年以降辺りからは他のアルトコインに比べて性能が劣っているという現状から、今のままだと厳しいかもしれません。
しかしビットコインの場合はインフラ整備が拡大されている事や普及率・開発力などにおいて優れているので、性能面で不利な部分があったとしてもライトニングネットワーク実用化により処理速度の向上やスケーラビリティ問題が解消されるなりすれば、まだ先行きも明るいのではないかと思われます。

リスクは基本性能が高くポテンシャルも感じますが、派生コインであり実用性の面で優秀なアークにより若干存在感が薄れてしまう印象です。
ダッシュコインやモネロは匿名系通貨で性能優秀だというように大いに可能性はあるものの、規制されるという事もありうるので、そこを含めて考えると投資するには少しリスキーです。

もちろんこれらはあくまでも現時点での個人的なランキング付けであって、この先のこれら仮想通貨が大幅に改善されたりすれば、当然順位も変わってくるでしょう。

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