FXは、少ない資金で大きな取引ができる魅力的な投資ですが、「勉強しても、なかなか儲けることができない」との声も聞かれます。
FX投資で安定した利益を上げるためには、為替相場の仕組みを理解し、取引戦略のポイントを押さえた勉強を効率的に行う必要があります。
そのためここでは、為替を効率よく理解できてFX投資に強くなる、「おすすめ勉強方法」について紹介しましょう。
1 為替のおすすめ勉強方法
為替を勉強するには、様々な情報媒体を使った方法がありますが、ここでは取り組みやすく、かつ効果が見込めるものについて紹介します。
1-1 本で勉強する
書籍で勉強すると、為替やFXの基礎的・全体的な知識・情報を体系的に身につけることができます。FX投資を始める際は、まず本を読むことにより、基礎的な力を身につけることが先決です。
ただし、書籍に書かれているチャート分析では、「MACD」や「ストキャスティクス」など、インジケーターの解説に多くを割いている例がみられます。
インジケーターの多くは、あくまでチャートの値動きを後追いで分析した数値に過ぎないことを注意すべきです。
書籍名・著者・発行元 | おすすめ度 | レビュー |
FXで稼ぐ47の法則
岡安盛男 自由国民社 |
☆☆☆☆ | 為替・FX取引の全体像を解説している。
ファンダメンタルズ、テクニカル両面の分析や各通貨ペアの特徴などを説明。 要点がわかりやすく理解できる。 |
FXチャートの鉄人
田嶋智太郎 西東社 |
☆☆☆ | 主にチャートのテクニカル分析を中心に解説。
チャート分析の入門書として手頃。 |
FXチャートリーディング マスターブック
井上義教 ダイヤモンド社 |
☆☆☆☆ | チャートのテクニカル分析を中心に、実戦的なトレード戦術を解説。
元為替ディーラーだった著者の体験談も掲載されている。 |
ローソク足チャート 究極の読み方・使い方
伊藤智洋 日本実業出版社 |
☆☆☆☆ | 罫線のローソク足に現れる特徴から、相場を読む力をつけてくれる解説書。
初心者から中級者レベルまで使える。 |
FXスイングトレードテクニック
田平雅哉 日本実業出版社 |
☆☆☆ | FX取引における投資哲学、投資技術、テクニカル分析を踏まえた売買手法を解説。
独自に展開する投資哲学の章は、読む価値がある。 |
使える売買システム判別法
山本克二 パンローリング |
☆☆☆☆ | FXのシステムトレードで、勝てる売買システムの判別法を解説。
確率統計を使い論理的に説明されている。 自動売買を行おうとする方には、非常に参考となる。 |
1-2 おすすめの雑誌や新聞・ブログで勉強する
FX投資、特にポジションを1週間以上持ち続けるなどの中・長期の取引を行おうとする場合は、新聞などから常に世界の政治情勢や経済の動向を把握することが必須です。
また、為替チャートの動きを理解して、具体的な投資技術を養っていくためには、ここでいくつかの優良サイトを紹介していますので、参考にするとよいでしょう。
雑誌名・新聞名・ブログ名 | おすすめ度 | URL | レビュー |
FX攻略.com | ☆☆☆☆☆ | FX初心者向けの情報誌。
用語解説やチャートの見方、取引手法のアイデアなど多彩な情報が掲載されている。 |
|
日本経済新聞 | ☆☆☆☆ | 経済・投資の王道的新聞。 | |
ゆきまさFX公式Blog | ☆☆☆☆☆ | http://yukimasaFX.com/ | 初心者から、少し慣れてきた中級者、スキルがある上級者までが学べる極めて実戦的な内容が掲載されている。 |
維新の介のFXテクニカル分析コラム | ☆☆☆☆☆ | http://booFX.jp/page/7/ | チャートの値動きやトレード手法をシンプルに分解して解説。実戦で役立つヒントが掲載されている。 |
アヒルと学ぶFX押し目買い | ☆☆☆☆ | http://ahiruFX-oshimegai.com/oshimegai/buy-sell-method | 勝つための押し目買い手法を徹底解説している。 |
投資の教科書 |
☆☆☆☆ | http://toushi-kyokasho.com/fx-skullping/#343 | 全般の基礎力・その先の応用力をつけるためのマニュアル的なサイト。 |
1-3 おすすめのFXアプリで勉強する
アプリは、チャート上に売買サインを表示してくれるなど、情報商材としてトレードを支援してくれる道具です。
しかし、判別ロジックを公開しているアプリでは、そのロジック内容を理解することで、実戦的な知識が身についていきます。
ここで紹介しているものは、いずれもそれなりの実績が示されている有料ソフトです。
アプリ名 | おすすめ度 | レビュー |
ターボFX | ☆☆☆☆ | 売買や決済サインの表示ソフト。売買ロジックは論理的で勉強するには最適。 |
プライスストラクチャー | ☆☆☆ | 売買サインの表示ソフト。ターボFXとは異なるロジックであるが、知識を広めるにはよい |
恋スキャFXビクトリーDX完全版 | ☆☆☆ | 裁量トレード上達に向けた勉強ソフトの性格が強い。
実戦にも使える。 |
1-4 セミナーで勉強するのは、あまりおすすめできない?
FX会社などではセミナーを開催しており、通信回線を使って受講できるものもあります。
会社側は、口座数拡大のため、営業の一環として実施している例が多いと思われます。
ただし、「今日はシステムトレードの手法を理解しよう」など、特定のテーマに対し明確な目的を持って受講すれば、効果的な勉強法になると思われます。
1-5 FX用語ばかり覚えても意味がない?
本を読む、WEBサイトを見るなど勉強の方法は多くありますが、基本的な用語を知らなければ、全体の理解が不十分のままになってしまいます。
特殊なものを除き、基本的なFX用語は必ず覚えるようにしましょう。
1-6 FXの勉強時間は、どのくらいとればいいの?
特に決まったものはありませんが、まったく勉強しなければ損失を被る確率が非常に高いといえます。
為替相場は、世界中の機関投資家や投機家が参加してくる弱肉強食の場で、勉強しないで勝てるほど甘い世界ではありません。
相場取引を始めようとする方は、短い時間でも毎日勉強する習慣をつけることが肝心です。
1-7 師匠やメンターなんて意味がない!「本人次第」が本当のところ
身近に教えてくれる指導者がいたとしても、トレードの結果に責任をとってくれるわけではありません。
投資は結果がどうであれ、すべて自己の責任です。
したがって、自分で勝ち残っていけるよう勉強しなければ、誰も助けてくれないと認識すべきです。そして、勉強を重ね、手痛い失敗も繰り返しながら各人が自分自身の糧にし、経験を積み重ねて強くなっていくものです。
相場に強くなるかどうかは、本人次第といえます。
2 為替の実戦勉強方法
本やセミナーで勉強を積んでも、実戦でよい成績を残せる保証はありません。
ここでは、実際に口座を開き、実戦的な場に身を置く勉強方法について考えてみましょう。
2-1 実戦でFXを始めるのが一番の勉強
実際にトレードを開始すると、「こんなはずはない」、「本に書いてあることと違うじゃないか」ということが頻繁に起こります。
相場は、その時々の政治経済情勢を背景に、世界中の投資家が抱く思惑によって動くため、本に書いてあるとおりにならないことが多いのです。
したがって、実際に相場取引を自分で体験し、成功や失敗の経験を積むことが一番の勉強といえます。
2-2 まず口座を開設。おすすめのFX会社
FX投資を始めるには、FX会社に口座を開設しなければなりません。
FX会社の選び方ですが、初心者のうちは国内の会社を選ぶのが安全といえます。
国内の会社は、投資家から預かった資金を信託銀行に「信託保全」することになっており、会社が倒産しても資金が投資家に戻るしくみになっているからです。
FX会社 | おすすめ度 | レビュー |
DMM.com証券 | ☆☆☆☆☆ | スプレッドが原則固定で狭い。取引高に応じたポイントが付与され現金化できる。
初心者に向いている。 |
GMOクリック証券 | ☆☆☆ | 短期売買向けの取引システムが使いやすいが、時々スプレッドが広がる場合がある。 |
OANDA Japan | ☆☆☆☆ | 口座開設して、一定額以上を入金、取引すると、OANDAの売買注文量がチャート上にグラフ表示できるインジケーターがもらえる。
取引は1通貨単位からできるが、取引システムは設定が細かく使いやすいとはいえない。 |
セントラル短資FX | ☆☆☆ | 直接カバー先金融機関に注文するNDD方式を採用しているため、レートが透明で公平な取引ができる。
システムトレード用の口座がある |
2-3 市場を知ろう
代表的な市場を掲載しましたが、初心者のうちは値動きが穏やかな東京市場でトレードし、
経験を積んでからロンドンやニューヨークに参加するのが安全です。
市場 | 時間帯(日本時間) | 特徴 |
オセアニア | 5:00~14:00 | 参加者が少なく、経済指標発表時には荒れる展開もある。 |
東京 | 9:00~18:00 | 輸出入企業など実需筋の参加が多い。
トレンドが発生しにくい。 |
ロンドン | 16:00~1:00 | 取引量が最も多い市場。トレンドが発生することが多い。欧州各国の経済指標が多く発表される。 |
ニューヨーク | 22:00~7:00 | トレンドが発生することが多い。
雇用統計などの米経済指標発表時には、大きく変動することが多い。 |
2-4 通貨ペアの検証
代表的な通貨ペアは、ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円、ポンド/ドル、豪ドル/円、豪ドル/ドルなどがあります。
初心者のうちは、値動きが比較的安定しているドル/円や取引量が多いユーロ/ドルがおすすめです。
2-5 過去チャートの検証
実際の過去チャートを検証することは、非常に勉強になります。
為替チャートは、レジスタンスやサポートのラインで跳ね返されるなど、テクニカルの法則に従って動く例が多くみられます。
過去チャートを検証することで、勉強してきたテクニカル分析を実際に確認でき、また、将来的に類似パターンが出現した際のトレードに大きく役立ちます。
2-6 リスクを低くしたいなら、デモトレードがおすすめ
リスクを減らすためには、本番口座でいきなり取引を始めるのではなく、練習用のデモ口座で慣れてから本番に移行する方法があります。
デモ口座は、チャートの値動きは本物なので、実際の資金を投下することなくトレードの実戦練習ができます。
ただし、デモトレードは本物の資金を使わないため、緊張感に欠けるというデメリットがあります。
ゴルフ練習場では上手でも、実際のコースでは力を発揮できないゴルファーがいらっしゃいます。FXも同様で、デモトレードで常に勝てるようになっても、本番トレードでうまくいくとは限らないことに注意が必要です。
3 まとめ
為替相場を知り相場取引に強くなるには、まず本を読んで基礎的な知識を身につけることが必要です。
その上で、優良で参考になるWEBサイトから、役に立つ戦術やテクニックを吸収していくのが、上達の早道といえます。
そしてその段階まで進んだら、実際の相場にデビューして実戦経験を積み、その結果を検証して自分の糧にしていくことで、一人前のトレーダーに向け成長していくことができるのではないでしょうか。